読書日記 今こそ読書をしよう!: 料理を作る前に、人を作る

2015年12月4日金曜日

料理を作る前に、人を作る

名古屋マリオネットアソシアホテル 日本料理「華雲」料理長の中川透さんの

ヒューマンドキュメントを読んでです(PHP2015.11号)

有名な料理人の子どもとして育った中川さんは、親の背中を見て

育ち、料理人の道に進みました。

しかし、父親は自分のもとでは働かせず、他に中川さんを修行に出し

腕を磨くことになります。

父親は、「自分の吐いた唾には責任を持て」とだけ教えたそうです。

その意味は、自分の発した言葉や料理には責任を持ちなさいと言う教え

だったようです。料理人のポリシーとなるところだけは伝えたかったのだ

思います。

一流の料理人になった中川さんは、父親と店を持ちますが、借金もだし

店を閉め、どん底に落ち、死ぬことさえ考えたそうです。

しかし、気持ちを立て直し、知人の紹介で居酒屋で働くなど自分のプライドには

拘らず、一心に料理に励んだそうです。

その時に、中川さんは今までは自分のことしか考えてこなかった

これからは人のために生きようと悟ります。

それは料理だけでなく、料理人を大事に育てることに命をかけるように

なっていくまで変わりました。

その姿勢が認められ現職にまで這い上がってきたとのお話。

このドキュメントを読んでいっても、やっぱり本当の一流になるには

苦労と利他の心がなければ、本当の一流にはなれないのだと確信できます。

中川さんは、自分が働いた店で、リストラがあっても自分を切っても

他の料理人を残してほしいと頼み込むなど、料理にだけでなく

弟子たちにも利他の心を運んできました。

その思いが料理の技術や味に即、現れているのだと思います。

死ぬ思いをしたから今があって、その時に他のために生きようと悟ったから

今がある。素晴らしいお話だと思います。

私は、サービス業ですが、この精神は私も職業人として、ほんの一部でも見習いたいと

思いました。せっかく感銘をうけたのですから、明日から仕事に、その想いを活かして

いきたいと思います。

0 件のコメント: