読書日記 今こそ読書をしよう!: 『お客さまが先 利益は後』 長野県の中央タクシーの感動のサービス

2019年11月25日月曜日

『お客さまが先 利益は後』 長野県の中央タクシーの感動のサービス

日本でいちばん大切にしたい会社3(あさ出版) 坂本光司著

この本に、取り上げられていた長野県にある中央タクシーのお話にとても
感動したので、少し書かせていただきます。

中央タクシーHP https://chuotaxi.co.jp/

タクシー会社というのは、個人を含めて全国を網羅しています。
私は、このタクシーというのは時によって、1人の運転手が
1人のお客様を運ぶものですから、
マンツーマンでFace to Faceの究極のサービス業だろうと考えています

長野県の中で中央タクシーという後発の会社なようです。

それも、このタクシー会社を始めた宇都宮恒久さんが、
他のタクシー会社の再生を引き受けたが、乗務員が
ベテランばかりで、業績は上手くいっていなかったにも
関わらず頭でっかちで、経営陣の声に耳を貸さなかったという
事実から、その教訓に中央タクシーを立ち上げました。

教訓をどう活かしたかといえば、乗務員はタクシー乗務を経験したことのない
中途採用の未経験者を集めて、タクシー会社の定型に拘らずにゼロから
会社を始めたのです。

どんなサービスが斬新かといえば、まずはお客様を乗降に立ち会う
ドアサービスを行ったことでした。
このサービスはお客様に人気だったようですが、同じ市内の
他のタクシー会社が行っていなかったために同業者のブーイングを受けたようです。

冷静に考えれば、他社が真似できないサービスを行うことこそお客様が
感動するサービスだと私は思います。


そして、しばし前のお話にはなりますが、冬の長野オリンピックの時は
稼ぎ時だったはずですが、オリンピック関係者の貸し切りの大半を
中央タクシーは断ります。

なぜかと言えば、普段のタクシー利用者は病院や買い物に出かける
お年寄りや障がいを持った方など交通弱者です。
タクシーの貸し切りでその方々のタクシー利用が出来なければ
死活問題になります。

オリンピック需要を断り、通常業務を行ったことで、世間からの厳しい目や
収益源は一時的にあったようですが、その分、地元のお客様からの
信頼度はいっそう増したそうです。

タクシー乗り場での待合も中央タクシーでなければ乗らないと、
中央タクシーの車が来るまで待つ人もいたり、
中央タクシー宛てに日頃の感謝の手紙を書く人もいるほどだそうです。

そこまで支持されるには理由があります
それは、乗務員に『お客さまが先 利益は後』が理念のもと、
相手の立場に立った行き届いたサービスが出来ていることから
信頼して、予約して乗るお客さんがほとんどなそうです。

この本の執筆当時で、タクシー業界が行き詰まりの中、
長野市内の他者の平均売り上げの2倍を中央タクシーは獲得していました。

中央タクシーのサービスはそれだけではありません。
新たな試みにも勇んで挑戦していて、成田空港への直通便を
定期的に出して安価でお客様を運ぶなど、
これは最初は赤字だったそうですが、徐々に浸透し
喜ばれるサービスとして黒字化し、
会社の主要売り上げになったそうです。

損して得を取れとか仏教の教えに利他行というものが、ありますが
まさにそのとおりで人に喜ばれるサービス、感動されるサービスを
行えば必ず結果はついてくるのだと確信を得ることができる
話だと思いました。

どんな乗務員さんが運転しているんだろうと想像を膨らませてみた私でした。


なお、中央タクシーのサービスの概要がNAVERまとめにありましたのでご参照ください。


驚きの顧客満足経営で愛される長野の中央タクシーとは

0 件のコメント: