読書日記 今こそ読書をしよう!: 文藝春秋4月臨時増刊号「つなみ」を読んで

2016年4月1日金曜日

文藝春秋4月臨時増刊号「つなみ」を読んで

この本は、震災で家族や自宅を失った子供たちが、震災直後に書いた作文と

5年を経た今書いた文章を並列して掲載したものです。


私も岩手県の三陸の町で5年前に大震災・大津波を体験しましたが

自宅や家族は無事でした。

子どもたちの作文を読むと、その学年によって、どのように捉えたらよいか

分からない自分があったり、または学年が高ければ現実を受け入れるだけが

精一杯で、その先を見越すことができない内容がみてとることができました。

対比して、5年後の作文を読んでみると、辛い事実は、冷静に受け止めながらも

今と未来を見つめられるようになっていて自分のビジョンも持っていることが

分かります。平時の生活をしている子どもたちとは違って、子どもの頃に大きな

傷を負った子供たちは、優しさと強さを持ち備えていると思います。

そして、当たり前は当たり前でないということも深く理解しているのではないかと

思います。

人という人間は、残念ながら痛い思いをしなければ、人の痛みを分かち合うことが

できない。むしろ、そうやって思いやりの心は養われていくのだと思いますが、

きっと被災地の子供たちはとても優しい大人になって活躍するのだろうと信じています。

そして、生きたくても今日を迎えられなかった人たちのことをよく分かっているので、

その思いを、自分の想いに重ねて、信念の強さも文章から感じ取れます。

この街に住むサラリーマンとして、この子たちと一緒に復興していきたい!と

そう思いました。誰もが1人じゃない。人を支える優しさと支えられる勇気をそれぞれが

持ち備えていればきっと、いい世の中になるのではないかなと私は思います。

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