読書日記 今こそ読書をしよう!: 結果を仕組みを作る政治家・橋下徹

2019年11月6日水曜日

結果を仕組みを作る政治家・橋下徹

鋭い舌鋒でアクの強い政治家、ワンマン!?というイメージを
橋下徹さんには強く思っていました。
ふとしたきっかけで、
橋下徹さんの著書 結果を出す「仕組み」の作り方 を手に入れました。



今まで政治家の著書とは無縁でしたが、地方自治にも興味を持ったので、
今回はこの本を読みました。
本当に、結果を出すための技量も器量を持ち合わせた方だということが
著書から分かりました。

専門家の盲点を突く


役所組織というのは専門家の集まりです。
特にも橋下さんがトップを務めた大阪府、大阪市は何万人もの職員を
抱える大組織です。

ここ数か月で日本では、台風での水害で多くの犠牲や被害を出しました。
もちろん、個人の危機管理も必要大前提ですが、
橋下さんは、大阪府知事時代にダム問題にも切り込んでいます。
ダムの建設是非といえばかつての民主党政権や長野県の田中元知事を想像します。

大阪府には京都大で専門を学んだような優秀な水防やダムの専門家がいるそうです。
橋下さんは、専門家ゆえに考えや手法に固執してしまったダムのありかたについて
水害を防ぐにはどうすればいいか本を読み漁り、専門家へダムの必要性への
盲点である課題を突き付けます。

例として、橋下氏が目を付けたのはダムができることで上流は洪水被害を
免れるが、その下流が免れる保証があるのかということでした。
専門家に問い詰めていくと、必ずしも万全でないことも分かっています。
結果として、ダムを中止し、河川の流れをよくする工事に切り替えたという
例があったそうです。

これはタイムリーな話題で本当に河川被害を守るには下流の家屋移転も
必要と橋下氏は語っています。
政治家、首長は役人の考えたことに対し、政治決断をしなければなりませんが、
自信で知識と情報を得て、総合的な判断をしている点は素晴らしいと思いました。

ダムを中止したことで、より安全な水害対策を生み出すだけでなく、
経費を削減するという考え方にも基づいているのも、
自身の政治理念と決断力や知識が合致していて納得がいきます。


自民党と旧民主党との違い


政治の分野は私はかなり無知なので、橋下さんの冷静・客観な視点で
自民党の強さと旧民主党の失敗について分かりやすく書かれていました。
自民党は、異なった考えの人が集まっている集団だが、
法案に採決する前など、言いたいことをそれぞれに自由に言わせるが、
最終的には決まったことに従う組織作りができていること。

この強さに自民党や安倍政権に橋下さんは一定の評価をしていました。
会社やグループにも異論はたくさん出ていいから、
最後は決まった方向で進んでいくというマネジメントは、
みんなのそれぞれの力が結集できると思いました。


また、旧民主党はそれこそいろいろな考えの人の集まりで、
議論がまとまらず、最終的に党としての意見が一致しない。
後に考えの不一致で分裂してしまうが、
同じ考えや方向の単位でまとまるが少数の集まりなので
民主主義の中で力を発揮できないことが橋下さんの話から
分かりました。

日本は二大政党制になっていくには現在の野党側にも、
考えのマネジメント力が必要なことが、
私の中でも見えてきました。

法律の専門家だからこそできた議論をさせること

ご存知の通り、橋下さんは弁護士の出身の政治家でした。
役所では予算を編成するにあたり、予算を獲得したい部署と
財務部門でそれぞれの主張で平行線になることがあります。
これは、どこの役所でもよくあることでしょう。

橋下さんは、その2者を1日を使ってでも徹底的に議論させ、
腹に落ちた方に軍配をあげたそうです。
その時、橋下知事・市長は裁判官になった感覚で
議論を見守ったとのこと。

まさに裁判の感覚を問い入れて、裁判官の感覚でジャッジをしたことは
弁護士らしい橋下さんだと思いました。

議論をして、お互いの言い分を言い合うことはとても重要なことだと思います。
主張していくうちに相手からの指摘で自分の盲点にも気づくからです。
議論をしていけば、双方が意見を合致できる部分も見いだせるはず。
きっと、そこで役人さんたちは相手を説得するだけのディベート力も身につけたでしょう。

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